当社は創業117年の歴史を持ち、国内市場を中心に事業を展開してきました。官需・民需の比率もほぼ半々で、非常に安定した事業基盤があります。そのため、以前は「今すぐ海外事業を大きく伸ばさなければならない」という危機感は、それほど強くありませんでした。一方で、海外拠点はあるため、海外駐在員を育成する必要がありました。当初は、そのための研修としてグローバル研修を検討したのがスタートです。
しかし、時代の変化とともに、グローバル人材は海外業務に携わる社員だけではなく、すべての社員に求められる時代になりました。私たちが本当に必要としていたのは、「海外要員」を育てることではありません。世界の変化を理解し、多様な価値観を受け入れ、自ら考え行動できる人材を育成すること。それが本質的な課題だと考えるようになりました。
グローバル研修を立ち上げる際、約1年かけて研修体系を整備しました。異文化理解や異文化コミュニケーション、語学研修などを組み合わせ、年間約10日間の研修を実施していました。内容としては十分なボリュームがありましたが、「知識として理解する」だけではなく、「実感を伴った学び」が必要ではないかという思いがありました。そこで、さまざまな海外研修を比較・検討する中で出会ったのがMISSION: GLOBALです。
提案を聞き、現地で実際の課題に挑戦するというスタイルに大きな魅力を感じました。知識を学ぶだけではなく、人が変わる。そんな研修だと感じ、導入を決めました。また、自社だけで海外研修を企画・運営することも検討しましたが、現地での受け入れ体制やプログラム運営には多くの工数が必要になります。継続して高い品質を維持することを考えると、専門性を持ったプログラムを活用することが最適だと判断しました。
一番期待していたのは、「リアルな体験」を通じて受講者の意識や行動が変わることでした。オンライン研修や座学だけでは、どうしても知識中心になりがちです。しかし、海外というリアルな環境で実際に課題へ向き合うことで、自分自身で考え、行動する力が身につくのではないかと期待しました。また、現地でしか得られない経験を通じて、グローバルな視点や多様な価値観への理解を深めてもらいたいという思いもありました。
海外研修への参加は基本的に手挙げ式です。ただし、その前段階となるグローバル研修については、各事業部門から推薦を受けて選抜しています。以前は「海外駐在員育成」という印象が強く、海外業務に関係のない部門では対象外と考えられることもありました。しかし、「これからの時代に必要なマインドセットを身につける研修」という位置づけに変えたことで、多くの社員が前向きに参加してくれるようになりました。また、約1年間にわたる研修を一緒に受けた仲間だからこそ、海外研修でもお互いを理解し、刺激し合いながら学べる環境が生まれています。
研修効果を数値だけで評価することは簡単ではありません。一方で、受講者一人ひとりを見ると、主体的に行動する姿勢や、自ら発信する力は確実に変化していると感じています。特にMISSION: GLOBALを経験した社員は、厳しい環境でも最後までやり抜く力が身につき、自信を持って新しいことへ挑戦する姿勢が見られるようになりました。
また、部署を超えた横のつながりも生まれ、研修後も交流を続けることで、新たな学びや刺激につながっています。現在は、これまでの受講者を対象にアンケートを実施し、考え方や行動、キャリアの変化などを可視化する取り組みも進めています。今後は、受講者の変化を可視化するとともに、研修で得た学びを組織全体へ広げ、グローバルマインドセットを継続的に育んでいく仕組みづくりにも取り組んでいきたいと考えています。
